投票総数3933票、全投票者数2026人

 

ワースト1位:麻生太郎財務大臣・衆議院議員による財務省セクシュアル・ハラスメント事件に関する一連の発言(1208票)

ワースト2位:杉田水脈衆議院議員によるLGBT批判の一連の文章(1045票)

ワースト3位:加藤寛治衆議院議員によるリプロダクティブ・ヘルス/ライツを尊重しない発言(366票)

 

 

投票くださったすべての方、この投票キャンペーンを広げるために協力してくだったすべての方に、心より御礼申し上げます。どうもありがとうございました!

 

【投票の概要と目的】

 私たち「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」は、2018年に政治家が公的な場で発言したジェンダー差別的な12の発言のうち、特にひどいと思われる発言最大2つに投票を呼びかけるオンライン・キャンペーンを行いました。2018年12月29日から2019年1月6日までの9日間、FBやTwitterなどSNSを通じて広く市民に呼びかけ、インターネット上に置いた投票フォームを用い、誰でも自由に投票できるようにしました。わずか9日間の短い期間でしたが、2026人(女性1281人、男性663人、その他・分からない67人、性自認無回答15名)の方々が投票に参加してくださいました。FBやTwitterを通じてこの活動を広げてくださった方も多く、深く感謝申し上げる次第です。

 本キャンペーンは、ワースト発言を募る投票を通じて、政治にかかわる人たちのジェンダー差別発言に対して批判の声を挙げたい、そのような発言が繰り返される現状を変えたいと企画されました。日常や職場における性差別やジェンダーに基づく暴力がなかなか根絶されないのは、市民の代表者としてより良い社会を作るために努力するはずの政治家が、かえってジェンダー・ステレオタイプを強化したり、性差別的な発言を行ったりすることも一因であると考えられます。このキャンペーンを通じて、多くの市民が、公人の発言が社会に及ぼす大きな影響や責任を再認識し、政治家のジェンダー差別発言にNOと表明したことは、非常に意義のあることだったと思います。

 

【結果発表】

  • ワースト1位は財務省セクシュアルハラスメント事件に関する麻生発言

 ワースト1位の発言は、麻生太郎財務大臣・衆議院議員の、「こちら側も言われている人の立場も考えないと。福田の人権はなしってわけですか」「相手(被害を受けた女性記者)の声が出てこなければ、どうしようもない」「そんな発言されて嫌なら、その場から去って帰ればいいだろ。財務省担当はみんな男にすればいい。触ってないならいいじゃないか」 などの一連の発言でした。1208票、投票総数の30.7%を集めました。

 他にもさまざまな問題発言があるなかで、特に麻生氏の発言に投票する理由として多くの方が自由記述であげていたのは、政界で高い地位にある人物の発言が社会に与える影響の大きさでした。重い社会的責任が伴うはずの高い地位の人物が、ジェンダー差別を擁護するような発言を繰り返し行うこと、また、周囲がそれを許容し続けることに対し、多くの方がNoを示したかたちとなりました。

 

  • 2位はLGBT批判の杉田発言

 2位は、杉田水脈衆議院議員の、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」「朝日新聞がLGBTを報道する意味があるのでしょうか。むしろ、冷静に批判してしかるべきではないのかと思います」などの一連の文章でした。1045票、投票総数の26.6%を占めました。LGBT批判であり子のない人への批判でもあるこの発言は、性自認について「その他・わからない」と答えた人や、女性以外の性自認で「セクシュアルマイノリティまたはアライ」と答えた人の中ではワースト1位発言に選出されています。

 

  • 3位はリプロダクティブ・ヘルス/ライツを尊重しない加藤発言

 3位は、加藤寛治衆議院議員の(結婚披露宴に出席した際の呼び掛けとして)「必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」(披露宴で若い女性に対し)「結婚しなければ子どもが生まれないから、ひとさまの子どもの税金で(運営される)老人ホームに行くことになる」でした。366票、投票総数の9.3%を獲得しました。個人のリプロダクティブ・ヘルス/ライツを尊重しないこの発言に対しては、性自認を「女性」「その他・わからない」と答えた人が、より厳しい態度を示しています。

 

注)グラフ横軸の番号は、以下の発言番号に対応しています。

1.杉田水脈衆議院議員「待機児童、待機児童っていうけど 世の中に『待機児童』なんて一人もいない。子どもはみんなお母さんといたいもの。保育所なんか待ってない。待機してるのは預けたい親でしょ」

2. 増井敬史安堵町議会議員(複数の女性国会議員に対して) 「両足を牛にくくりつけて、股裂きの刑にしてやりたい」

3.  麻生太郎財務大臣・衆議院議員「相手(被害を受けた女性記者)の声が出てこなければ、どうしようもない」「こちら側も言われている人の立場も考えないと。福田の人権はなしってわけですか」「そんな発言されて嫌なら、その場から去って帰ればいいだろ。財務省担当はみんな男にすればいい。触ってないならいいじゃないか」など、一連の発言。

4. 長尾たかし衆議院議員「セクハラはあってはなりません。こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します!」

5. 下村博文衆議院議員「確かに福田事務次官がとんでもない発言をしてるかもしれないけど、そんなの隠しとっておいて、テレビ局の人が週刊誌に売ること自体がはめられていますよ。ある意味犯罪だと思う」

6. 加藤寛治衆議院議員(結婚披露宴に出席した際の呼び掛けとして)「必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」(披露宴で若い女性に対し)「結婚しなければ子どもが生まれないから、ひとさまの子どもの税金で(運営される)老人ホームに行くことになる」

7. 萩生田光一衆議院議員「0~3歳児の赤ちゃんに『パパとママ、どっちが好きか』と聞けば、どう考えたって『ママがいい』に決まっている。お母さんたちに負担がいくことを前提とした社会制度で底上げをしていかないと、『男女平等参画社会だ』『男も育児だ』とか言っても、子どもにとっては迷惑な話かもしれない」

8. 二階俊博衆議院議員「この頃はね、『子どもを産まない方が幸せに送れるんじゃないか』と勝手なことを自分で考えてね」

9. 杉田水脈衆議院議員「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」「朝日新聞がLGBTを報道する意味があるのでしょうか。むしろ、冷静に批判してしかるべきではないのかと思います」などの一連の文章。

10. 谷川とむ衆議院議員「同性婚や夫婦別姓といった多様性を認めないわけではないんですけど、それを別に法律化する必要はないと思っているんですね。趣味みたいなもので」

11. 佐喜真淳元宜野湾市長(女性政策について問われ)「女性のパワーは年々上がっている。女性の質の向上、女性の地位やモチベーションが上がるような環境をつくっていくことが重要だ。」

12. 平井伸治鳥取県知事「私たちの世代、男たちはメーテルに恋をしている。メーテルに頭をなでてもらう『鉄郎』になりたいと思っていたもので、いまの柔らかいお声に感激もした」「メーテルの名前の語源はギリシャ語で母。ぜひ母の慈愛の心を持って、大都市と地方の折り合える案を考えていただければ」

 

 

  • そのほかの発言の順位、カテゴリーごとの集計結果について

このほかの発言の順位や、カテゴリーごとの集計結果については、以下の表やグラフをごらんください。なお、自由記述欄に記入した625人中161人(17.6%)が「全部ひどいのですべてに投票したい」「2票では足りない」という趣旨のコメントをしていることからわかるように、獲得票が少ないことは、その公的発言に問題がないことを意味しません。その点ご注意ください。

 

  • 性自認による集計結果(凡例の番号は発言番号に対応)

 

  • 「セクシュアルマイノリティまたはアライ」かどうかによる集計(凡例の番号は発言番号に対応)

 

  • 性自認および「セクシュアルマイノリティまたはアライ」かどうかのクロスによる集計(凡例の番号は発言番号に対応)

 

  • カテゴリー別 ワースト投票結果の分布(赤字はワースト1位)

 

【投票キャンペーンを振り返って

 政治家による問題発言は全く減っていません。ワースト候補の数は、昨年の投票では5個でしたが、今年は12個に増えました。これは、人々がジェンダーに関する問題発言により敏感かつ批判的になったこと、また、従来見逃されてきた問題発言がより報道されるようになったことの反映でもあるでしょう。しかし、政治家がジェンダーに関して問題ある公的発言を数多くしているようような現状は、変わってゆくべきです。

 ジェンダー平等な社会の実現のためには、政治の力がどうしても必要です。「公人によるジェンダー差別発言は『もう終わらせる時期が来た』」という認識が、政治家の間にも力強く広まってほしいと思います。2019年は選挙の多い年ですが、政治家による問題発言が減り、ジェンダー平等が前進することを願っています。

 今年も、問題のある発言が出てくる社会状況を変えたいという気持ちを示すために、たくさんの方が投票をしてくださいました。主催者として、心から感謝申し上げます。